AIG問題 2009 3 19
3月18日のWall Street Journalのニュースによれば、
AIGが損失を抱えているデリバティブ取引の相手は、
多くがヘッジファンドであると伝えています。
「結局、巨額の政府資金(税金)による救済は、
ヘッジファンド救済が目的だった」と思われても不思議はないでしょう。
ところで、ヘッジファンドと聞いて、ある本を思い出しました。
あの本に書いてあった「あの問題」は、どうなったのでしょうか。
確か、AIGは、「この火遊び(CDS)は危険だ」と感じて、
途中で降りたはずです(それでも大損害となりました)。
最後まで火遊び(CDS)を続けた連中は、どうなったのでしょうか。
そして、ヘッジファンドと一心同体であるとまで言われた金融機関は・・・・・。
書名 日本経済を襲うエキゾチック金融危機
著者 草野 豊己 毎日新聞社
(以下、引用)
一般に言われる「サブプライムローン問題」の本質は、「CDS危機」だといえる。
世界最大の債券ファンドを運用する米ピムコのビル・グロス氏は、
景気後退によって、企業のデフォルト率が現在の0.5%前後から、
通常レベルとされる1.25%に戻れば、
ヘッジファンドなどのCDS保証引き受け側には、
約5000億ドル(50兆円)の支払い義務が生じると指摘。
さらに、そのヘッジファンドが破綻すれば、
CDSで保証を受けている金融機関は、
保証引き受け側から取っている担保では補えない、
残り半分の2500億ドルの損失を被ると試算している。
80年代の米S&L危機、00年のITバブル崩壊時に、
世界のデフォルト率は、4%に上がったが、当時、CDS市場は存在しなかった。
仮にデフォルト率が今後4%に上昇すれば、
62兆ドルの4%に当たる2兆5000億ドル(250兆円)がデフォルトすることになる。
(以上、引用)
著者によれば、
クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が62兆ドルで、
これでも、気が遠くなる数字なのに、
金融派生商品の総額は、600兆ドルだという。
兆の次の単位は、「京」だったでしょうか。
そうすると、6京円でしょうか。